飼育員の基本的な仕事 動物観察
どうも、こんにちは。
飼育員をしています鈴木チキンです。
さて、今日は基本的な飼育員の仕事をご紹介します。
おそらく皆さんが想像するものでほぼほぼ正解なのですが、意外なこともやっているかもしれません。
その中でも本日は
「飼育員の動物観察」
について書いていきます。
ではいってみましょう。
動物を観察
動物を見るのが仕事とは、うらやましいと思う方も多いかもしれません。
確かに仕事中とはいえ、動物をぼーっと見て癒される時間もあります。役得です。
ただし、漫然と動物を見ているわけではないんですね。
特に一日の初め、朝の観察はとても大切です。
観察の土台
まず、観察をする土台としてその動物の「いつも」を知っておく必要があります。
「いつも」とは?
元気いっぱいな個体もいれば、静かな個体もいまし、飼育員を見たら怒る個体もいます。
その個体によって「いつも」が違うんですね。
※個体とは?動物園では個人のような表現として動物の個々のことを個体と表現します。もしかしたら僕が働いている動物園だけかもしれませんが・・・
普段見ている中で、どのような個性があって、どのような行動をするのか、それぞれの「いつも」を理解しておく必要があります。
そして、その「いつも」と違う行動や雰囲気が見られると、観察するギアを変えます。
「おや、どうしたんだ?なんかあるのか?」
そこで、より詳しく動物のことを観ていきます。
どこを観ているの?
まずは情報収集からです。
食欲を確認するために餌の残りはどうだ?
体重移動でおかしなところはないか?
便の様子はどうだ?
群れの場合は群れの雰囲気はどうだ?
飼育している環境に変化はないか?
一つ一つ確認していきます。
ケガをしていた場合も動物たちは人間のように「ここが痛いです」って教えてくれないんですね。
特に動物園で飼育している野生動物は自然界で痛がっている様子を捕食者に知られたら真っ先に狙われます。
だから、痛かったとしても隠すんですね。
そこで私たち飼育員は、動物が発する小さなシグナルを敏感に感じ取って、そこからどのような対処をしていくのか一つ一つ考えなければなりません。
話は変わりますが・・・
この文章を書いていて途中、一つ変えた漢字があることに気づきました?
さて、なんの漢字でしょう?
正解は、「見る」を「観る」に変えていました。
観察するギアを、のところから変えています。
漢字を変えたのには明確な理由があります。行動が違うんですね。
見るとは?
視覚を通して情報が入ってきている状況
観るとは?
意図して視界に入れた状況
目的によって受動的行動として見るのか、能動的行動として観るのかで飼育員の行動が変わっているんですね。
漢字に関しては単なる豆知識でしかありませんが、飼育員として働くうえで、このように自分の行動一つ一つに理由を考え、意図的に取り組む必要があります。
ぼけ~っとしている場合じゃありません。
なんせ動物の生死がかかっているのですから。
さて、あなたが動物を「みる」時は、見ていますが?それとも観ていますか?